中国四川地震被災者支援 経過報告
支援開始から1年以上を経た被災地において、心のケア事業を実施しています。ジャパン・プラットフォームではこれまで、約1億6,000万円の事業資金を6団体、16事業に助成してきました。本支援は2009年11月まで継続する予定です。
地震被害発生直後、初動対応期の事業としてADRA Japan (ADRA)、アジア協会アジア友の会(JAFS)、サポート.CC(SCC)の3団体が発災直後の調査を実施しました。その結果に基づきADRAが蚊帳の配布を行いました。テント内が40度を超し被災者の体調が憂慮される中で、蚊帳の配布によって蚊を媒体とした伝染病の予防にも役立ったと地元行政からも感謝されました。
また、SCCは同時期にテントおよびプラスティックシート、ロープなど屋根の修復に必要な物資を配布し、屋外生活を余儀なくされていた人々に仮設住居を提供しました。また、提供したロープなどにより、損壊した畜舎や穀物倉庫などの補修を行うことができ、結果として地域産業である農業の再建を促すことができました。
その後、10月より日本民間国際協力会(NICCO)が、支援の届きにくい山間部の集落に越冬支援として防寒着および掛け布団を配布しました。この事業においては性別と年齢に応じて8種類異なるパッケージを作り、受け手のサイズと年齢に適した防寒着の配布を実施するなど、きめ細やかな活動ができました。
発災後半年以上が経つと、被災地における物質的なニーズは低くなりましたが、被災者の心のケアの必要性が指摘されるようになりました。この状況を鑑みて、JPFではADRA、NICCO、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)の3団体と合同で心のケアに関する実態調査を実施し、この結果に基づき3団体が心のケア事業を開始しました。
NICCOは子どもを対象としてスポーツや演劇観衆を実施することで震災による心理的なトラウマを軽減することを目的とした事業を実施しています。また、事業ボランティアおよび教師に対して心理社会的ケアのトレーニングを実施することで、事業終了後にも自主的に継続して心理ケアを行うことが出来るよう事業を設計しています。
SCJは、四川省で被災し、親元から離れて集団生活をしている子どもと、その子どもを取り巻く大人を対象として心理ケアを実施しています。震災による直接的なストレスと、親元を離れたことによる精神的な負担を軽減することを活動の目的としています。他方で、子どもたちに避難生活や防災に関する調査を行う機会を提供し、調査を通じて子どもたち
の社会性の向上や自主性の回復をはかることで、帰還後の生活への順応性を高める計画です。
ADRAは、被災地における調査の結果、社会心理ケアに対するニーズが満たされていない事を憂慮し、基本的な社会心理ケアを行うことができる心理ケア相談員を育成する事業を行いました。これによって、事業終了後もトレーニングを受けた心のケア相談員が被災地において主体的に活動を実施することができようになることを目指しています。
上述の心のケア3事業は6月下旬をもって終了しますが、6月末よりあらためてNICCOとSCJの2団体が心のケア事業を実施する予定となっています。 |