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| (1) |
調査者:椎名規之 JPF事業部員 |
| (2) |
調査期間:1月19日〜31日 (13日間) |
| (3) |
調査地:シリア(ダマスカス)、ヨルダン(アンマン、フヘイス、ザルカ) |
| (4) |
調査同行者:WFP中井恒二郎(シリアのみ) |

シリア
| (1) |
NGOとシリア赤新月社との間の覚書締結のための情報収集とNGOの支援 |
| (2) |
イラク難民支援における現地のニーズの動向把握 |
| (3) |
国際機関の活動状況調査 |
| (4) |
JPFのNGO登録の必要性について確認 |
ヨルダン
| (1) |
ヨルダン政府(計画省)への事業報告、ヨルダン政府の難民支援方針の確認 |
| (2) |
JICAや国際機関との事業連携の可能性について調査 |
| (3) |
JPF参加NGOの活動状況・進捗確認 |
| (4) |
次期事業形成についてJPF参加NGOと協議 |

| 日程 |
場所 |
訪問先等 |
2008/1/19 (土) |
日本発 |
移動 |
2008/1/20
(日) |
ダマスカス着 |
午前:移動 |
| 午後:日本大使館 |
2008/1/21
(月) |
ダマスカス |
午前:シリア赤新月社 |
午後:Norwegian Refugee Council(NRC)、
Danish Refugee Council(DRC) |
2008/1/22
(火) |
ダマスカス |
午前:Save the Children (SC) |
| 午後:日本大使館、JICA |
2008/1/23
(水) |
ダマスカス |
午前:WFP、イラク難民からのヒアリング |
| 午後:UNHCR |
2008/1/24
(木) |
ダマスカス・アンマン |
午前:移動、SCJ |
| 午後:日本大使館、JICA |
2008/1/25
(金) |
アンマン |
午前:報告書作成 |
| 午後:報告書作成、アポ確認 |
2008/1/26
(土) |
アンマン |
午前:NICCO |
| 午後:SCJ |
2008/1/27
(日) |
アンマン・ダマスカス |
午前:KnK |
| 午後:ヨルダン計画省、日本大使館、JEN、移動 |
2008/1/28
(月) |
ダマスカス |
午前:JEN |
| 午後:日本大使館、DRC |
2008/1/29
(火) |
ダマスカス |
午前:シリア外務省、NRC |
| 午後:UNDP、UNICEF |
2008/1/30
(水) |
ダマスカス発 |
午前:シリア赤新月社 |
| 午後:日本大使館、移動 |
2008/1/31
(木) |
日本着 |
移動 |

シリア
(1)了解覚書(MOU)締結に向けての協議の現状
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ECHOは法律部門がMOUの内容がECHOとして受け入れられるものであるかどうか確認中。 |
| ・ |
CaritasやTerre Des HommesはNGO登録やMOU締結なしに現地のパートナーを通じて活動を行っている。UNICEFは彼らとImplementing Partner (IP)契約を結んでいるが、今後はNGO登録などがIP契約の前提条件になるという情報あり。UNHCRはすでにそういう方針を取っている。 |
| ・ |
UNICEFシリアの職員から、事業期間について通常より長いスパンで設計する必要があるとのアドバイスあり。これは赤新月社とのMOU締結後も事業実施にあたり様々な問題、特に予算執行面での遅延が発生する恐れがあることによる。シリア政府・赤新月社と国際NGOがこのような形で活動を行うのは初めてのケースであり、事業実施に関しては政府や赤新月社との協議、承認にかなりの時間を費やす必要があるとの懸念である。 |
| ・ |
NRC(ノルウェー)やDRC(デンマーク)はそれぞれの国の大使とNGO、赤新月社の総裁の3者でMOUの内容について協議をおこない、主に銀行口座の開設や二重署名について赤新月社の条件の緩和を求めた。 |
(2)難民支援におけるニーズと国際機関の活動状況
教育分野での支援
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イラク難民を受け入れるための学校修復・増築や教材配布などの事業をNRCやSCUKが計画。UNICEFでは140校あまりの学校と1年で4万5千人あまりの子どもたちを教育分野支援のターゲットにしているとのこと。子どもの保護の観点からも教育分野での活動は重要である。 |
| ・ |
シリア教育省の計画局局長が中心となって月1回コーディネーション・ミーティングを政府とNGOで開催。ダマスカスをいくつかの地域に分け、NGOごとに担当を割り振る計画が進行中。 |
食糧配布分野
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現在はUNHCRとWFPが共同で赤新月社のボランティアを通じ食糧配給を実施。WFPが穀物など、UNHCRが追加食糧として油やナツメヤシなどをパッケージにして配布。 |
| ・ |
WFPは食糧配布の受益者を大幅に増やす予定であり、赤新月社のほかにIPが必要となる可能性がある(現在は計画のみで資金は不足している)。不足している栄養素に関する調査、潜伏する難民と配布した食糧に関するモニタリングの分野でWFPシリアはNGOの活動に期待している。 |
心理社会的ケア
| ・ |
UNICEFシリアによると、心理社会的ケアについてのニーズが高く、CaritasやTerre Des HommesとIP契約を結んでいるがパートナーが不足している状況であるとのこと。 |
その他(難民登録・医療分野・コーディネーション)
| ・ |
ダマスカス郊外でインタビューを行ったイラク難民の家族たちによると、難民登録のためのUNHCRとの面談のアポイントメントに数ヶ月を要しており、迅速に対応して欲しいという声があった。また、子どもの多い家庭へのミルク支援(保存が困難なためWFPなどでは行わない)、イラク国内で戦闘に巻き込まれ、足に大やけどを負った子どもたちへの支援要請があった。 |
| ・ |
UNICEFからイラク国内での活動とシリアでの活動の連携の必要性、地域的アプローチが強調された。シリアでの活動は「症状」への対処であり、イラク国内の「原因」への対処が伴わなければならないこと、効果的な支援のための地域的事業の連動・連携の必要性が主張された。 |
| ・ |
UNDPによるとデンマーク大使館を中心にドナーや国連機関の間で援助をコーディネーションする動きがあるとのこと。 |
MOU締結へのJPFの継続的支援
| ・ |
JPF参加NGOがMOUを締結し、事業形成やプロジェクト・ドキュメントを作成、承認を得るためには赤新月社との交渉、NGO間の情報共有のほかにドナーとして赤新月社の予算執行面での要求を受け入れられるかどうかという問題も存在する(追記:2月後半に赤新月社が事業全体予算の2%を赤新月社に支払うことを条件としたという情報を入手。この点についてJPF政府資金でカバーできるかどうかも焦点の一つである)。MOUの内容は曖昧な点が多く、今後のNGOと赤新月社の交渉状況によってはジャパン・プラットフォームや日本大使館がNGOと一緒に交渉する必要性が出てくることが懸念される。 |
分野別コーディネーション・ミーティングへのNGOの参加促進
| ・ |
NGO登録を済ませた国際NGOは特に教育分野で教育省とともに教育支援の全体方針・計画をまとめようとしている。この段階でJPF参加NGOが参画することが日本からの支援のプレゼンスを示すだけでなく、シリア政府のリードを尊重し効果的な支援を実施する鍵になると思われる。UNICEFもコーディネーション・ミーティングへの参加を強く推奨している。参画は国際機関との事業連携の可能性にも大きく寄与することが考えられる。 |
事業期間に対する懸念への特別な対応
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シリア政府にとっても国際NGOにとっても、今回のような支援活動はほぼ初めての経験であり、事業実施にこぎつけたとしても政府や赤新月社との協議や活動、特に予算執行面での承認に多くの時間を費やす事が懸念される。 |
| ・ |
事業期間が6ヶ月の場合、NGO側は上記の懸念から、準備や政府・赤新月社との交渉、承認獲得のための時間を設定し、実際の活動期間を短くせざるを得ない。結果的に事業内容や規模が物資配布などに限定されてしまい、現地のニーズとの間に齟齬が生まれかねない。 |
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提案として、シリアでの活動に限定して1回の事業申請期間を1年間まで承認し、6ヶ月ごとに事業進捗と予算執行状況などを確認、赤新月社側の原因による事業遅延が発生した場合予算の追加申請を含めた見直しを行うことを検討することを提案したい。 |

ヨルダン
(1)ヨルダン政府の難民支援方針
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計画省からヨルダン政府がイラク難民を支援するための国際支援を受け入れる方針書のアラビア語版を入手。方針の骨子としては、1)イラク難民への支援はヨルダン政府を通じて行い、難民支援のためのパラレル・システムは認めない、2)ヨルダン政府の中で国際支援の窓口であり調整を行うのは計画省、3)NGOは事業計画書を計画省に提出し、計画省から関連省庁に連絡、コメントや承認を受け計画省からNGOに通達する、の3つである。英語版は未だ作成中とのこと。 |
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「イラク難民の流入によるヨルダン経済への影響アセスメント」の文章はまだドラフト段階で完成していない。 |
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計画省からJPFへの要請として、1)現在の活動状況について各NGOA4半角1枚で進捗報告書を提出して欲しい、2)新規事業については方針書に基づき計画省に事業計画書を提出し承認を取って欲しい、の2点が言及された。 |
(2)事業連携の可能性、参加団体間の連絡調整
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KnKがUNHCRに連絡を取った情報によると、今年3月に現在実施されている事業の予算執行状況を確認し、予算があれば追加でNGOとIP契約をする可能性がある。この情報を受け、SCJにもこの情報を共有した。 |
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12月の調査の結果から、KnKが活動する場所と分野(アズラックでの文化・スポーツ活動分野)でUNHCRのIPがまだ存在していないことが確認された。これを受け、KnKがUNHCRのIPになるための前提条件であるNGO登録について検討している(現在KnKはHigher Council of Youth,
HCYと共同で活動を実施しているため登録の必要は無い)。KnKはHCYの協力を得て登録を速やかに行いたい考えである。 |
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JPF参加NGOの間ではNICCOの演劇発表会にSCJのスタッフが見学に訪れるなどNGO間で情報の共有が行われている。 |
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JICAヨルダンのイラク班の方々とJPF、SCJでミーティングを行い、将来的な事業の連携について協議を行った。JICAからは身体障害者支援についてブリーフィングを受けた。前回の出張時に話し合いを行った第3国研修についても意見交換を行ったが、イラク人に対する研修ではイラク政府とヨルダン政府の両方から要請を受ける必要があるとのこと。現在の事業でJICAの活動地域とNGOの活動地域が重なっているもの(SCJの支援している幼稚園でJOCVの教員が活動)があり、イラク班にとどまらずヨルダン事務所の活動で事業連携を検討していくことで合意した。 |
(3)JPF参加NGOの活動状況
KnK
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フヘイスではHCYと協力し女性を対象とした英語教室やスポーツ教室などを実施、アズラックでは男性を対象とした支援を行っている。それぞれ対象が限定されているのは協力しているHCYのユースセンターが対象を限定しているためである。現在同地域で活動を始めたCaritas Jordanなどと連絡を取り合い、情報共有や事業連携などの可能性を探っているとのこと。 |
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今後は心理社会的ケアの一環であるビデオ撮影・上映、事業のインパクトを図るため受益者へのアンケートなどを実施する予定。 |
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現地担当者の離任により新しい担当者と引継ぎを行っている。 |
NICCO
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心理社会的ケアの一環である演劇の発表会を実施し、全体で900人ほどの受益者の保護者や同コミュニティ在住の子どもたちなどが発表会に訪れた。心理社会的ケアの直接の受益者は子どもたちであるが、子どもたちが生き生きを演劇に打ち組む姿を見ることによって、保護者の自信、子どもたちへの関心、そして難民生活での前向きな姿勢を取り戻すことにつながる。また国籍の違う子ども達やその家族の間での相互理解の促進にも寄与するということだった。グループ間交流研修は降雪を含む悪天候のため天候の回復を待って実施することを確認した。 |
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食糧供与事業は2回目の配布が物資の調達や降雪の影響などの影響により2月に延期されることを確認した。この事業の受益者を配給前に確認する活動は、潜伏するイラク難民の状況などを掘り起こす機会となっている。 |
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今後は2月に日本人の精神科医による心理社会的ケアセミナーを希望するNGO関係者、ソーシャルワーカー、医師に対して開催する予定である。 |
SCJ
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幼稚園の教員に対する指導者研修を実施、スケジュールの作成から遊びを通じた学習の手法などについて学んでいた。学習の内容によって別の幼稚園の教員同士でグループを作るなどして教員間での情報・経験の共有を支援するなどの工夫が見られた。 |
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幼稚園の修復については、建築資材の高騰の影響を受けており、見積もりの取得や政府との協議などにもスタッフの多くの時間が必要とされている。 |
(4)次期事業形成
KnK
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2つの現事業地で男女両方の支援を行うことを構想中。現地スタッフから移動図書館(室)のアイデアが出されている。 |
NICCO
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現事業地での心理社会的ケア事業を継続するとともに、ザルカ市で特に貧しく多くのイラク人が住み、公害・健康問題を抱えるアル・ハシミヤに活動地域を拡大することを検討中。アル・ハシミアでは医療問題や環境問題などに関心がある。 |
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食糧供与事業については、受益者選考の難しさ(国際機関による食糧配布のカバーの広さなど)、現事業によるニーズや支援状況を再確認した結果により次期では支援の終了を含めた見直しを行う予定。 |
SCJ
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現事業の幼稚園を通じた支援を継続すること検討中。支援する地域に関しては現在検討中。 |
ヨルダン政府との事業調整・連絡の継続
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計画省からはJPF事務局との定期的な話し合いやNGO活動の報告に関して感謝の言葉とともに継続的な活動を依頼されている。ヨルダン政府の国際支援に関する方針書が共有されたことを受け、計画省が今後NGOの活動に関してコーディネーションの窓口の機能を強化することが考えられる。JPF参加NGOの窓口として計画省と連絡を取り合い、「イラク難民流入によるヨルダン生活環境への影響調査書」をはじめとするヨルダン政府の現状認識の確認とNGO活動への理解・協力を求めていくことは重要であると考える。 |
国連機関・JICAとの調整・事業連携の推進
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JPF参加NGOはUNHCRとIP契約を締結したNICCOをはじめ、SCJも国連や国際NGOが主催する各支援分野のワーキング・グループに積極的に参加し、情報や経験の共有を行っている。国際支援の分野ごとの支援戦略やヨルダン政府との交渉など、このワーキング・グループに参加している意義は大きく、また国際機関との事業連携・IP契約の締結の前提条件といっても良い。JPF事務局は現地や日本に事務所を持つ国際機関と定期的に意見交換や活動の紹介を行い、JPF参加NGOを日本のイラク難民支援の柱の一つとして説明することでNGOのヨルダンでの活動を支援することができると考える。 |
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JICAヨルダン事務所はJPF参加NGOの活動に関心を持っており、とても協力的である。今後も引き続き事業連携について、イラク班のみならずヨルダン事務所の活動とNGOの活動を連携させ、まずは小規模(研修での講師の派遣、幼稚園に関連した活動の共同実施など)で協力し、日本の支援として活動のインパクトを大きくできるような連携を模索することが大事である。 |
次回調査への提案
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シリアはアラブ・サミットが3月に行われることから3月中に調査を行うのは難しい状況である。またMOU締結の交渉・事業形成にはさらに多くの時間がかかることが予想される。 |
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ヨルダンでのJPF参加NGOの活動は順調であり、次期事業形成も進められている。計画省との新規事業の調整は3月後半から4月初旬になることが予想される。 |
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以上2つの状況から次回の調査はJPF事務局の事業を1ヶ月延長し、新規事業調整時にあたる3月後半から4月初旬に実施することで調査の内容を充実させることを提案したい。 |
以上 |
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