JCCP
The Japan Center for Conflict Prevention


緊急支援事業計画書
ムザファラバードにおけるJCCP事業にかかる主な組織予定図
キャンプ・ジャパン施設補修・整備等作業員工程表例(2006年1月期)
マリク・プラにおけるテント設営予定図(含む現地写真)
ジェラム、ニーラム渓谷被災状況図
ムザファラバード損壊状況図
アル・ムスタファ提案による道路補修予定地(含む写真)


緊急支援事業計画書

申請年月日 2006年2月1日 申請番号 2006−01
プロジェクト名 パキスタン北東部地震被災者支援事業
実施事業名 キャンプ・ジャパン施設補修・整備、入居者生計支援事業
実施団体名 特定非営利活動法人 日本紛争予防センター (以下、JCCPと略)
事業対象地状況 【個別事業地毎被災者総数】
2005年10月8日に発生した地震による被害者は、パキスタン全土で死者にしておよそ8万人を数え、北東部に位置するアザド・ジャンム・カシミール(AJK)州の州都ムザファラバードでは、人口911,000人のうち85%の住民が被災した。家屋が倒壊した人々の多くが屋外での困難な生活を余儀なくされ、衛生設備の整わない自然発生的なキャンプもいたる所に数多く発生した。このため前事業においては、ムザファラバードから南東およそ10Kmに位置する土地に、被災者の越冬支援としてキャンプ・ジャパン(タンドリ・キャンプ)を、ジャパン・プラットフォーム(JPF)、NICCOと共同で設営している。
本事業ではキャンプ・ジャパン入居者を雇用し、(1)キャンプ地の補修・整備、(2)水供給、および施設の維持・管理(社団法人アジア協会アジア友の会[JAFS]との共同作業)、(3)電気の供給、および施設の維持・管理、(4)倒壊家屋や道路の修復、瓦礫の撤去等、(5)テント設営、寝具類の配布(マリク・プラ、事業パートナーNGOアル・ムスタファからの要請書あり)−を行う。本事業では、第一義にはキャンプ・ジャパン入居者の住環境の維持・管理に努めるとともに、ムザファラバード市内の生活環境の改善、及び更なる被災者の越冬支援に貢献することを目的としている。加えて、事業参加にともなう収入が、キャンプ・ジャパン入居者の生計の一助となることなる支援をおこなう。
根拠(AJK政府、OCHA等による被害統計、およびJPF専門家による現地調査[第1期提出]より)
【事業地公共等施設損害状況】
医療施設では103か所が全壊、教育施設は929か所が全壊、そのほかの行政関連施設も160か所あまりが全壊・半壊の被害を受けている。道路も大きな被害を受けているが、復旧している部分もある。Neelum Valleyへの道路は特に被害が著しい。AJK政府及びパキスタン軍によって崩壊した公共施設の取り壊し作業や道路の復旧作業が進んでいるものの、未だ状況は厳しいものと思われる。
根拠(AJK政府、OCHA等による被害統計、およびJPF専門家による現地調査[第1期提出]より)
【国際機関・援助団体対応状況】
全体調整:OCHA
キャンプ・マネジメント:UNHCR、Al-Mustafa、JPF、NICCO、JCCP
教育・水・衛生:UNICEF、OXFAM
医療:WHO、MSF、ICRC
食料:WFP、NICCO
根拠(OCHA)
事業概要

【事業目的】
キャンプ・ジャパン第1期事業で当団体は、テント(住居用・集会用)の調達・設営、水・衛生施設の設営及び管理、キャンプ地および近隣住民間での安全管理(セキュリティー、苦情処理)、また寝具類の調達・配給作業を行った。第2期事業ではキャンプ・ジャパン入居者の越冬・生計にさまざまな形で資するべく、またキャンプの日常の運営を円滑に進めるべく、キャンプ地等における各種施設・生活基盤の補修・整備に、JCCPスタッフのみならず生計支援事業を通じて入居者(作業員)と共に取り組む。加えて、作業を通じての収入が入居者の生活の営為に活用されるとともに、援助を受け取るだけではなく、被災者自らが主体的に復興に参加しているという意識の高まりにも同時に期する。

【事業概要】
キャンプ・ジャパン入居者を作業員として雇用し、居住者の生活環境の維持と管理に努めるべくキャンプ地内の各種補修・整備を行う。キャンプ・ジャパン(タンドリ)における業務内容としては、(1)建築物(住居・集会用テント)の補修(テント入居者が修理可能な修繕を除く)、強風に対するフェンスの補強、(2)下水路(側溝)の構築、(3)敷地内路面・道路の構築(雨による道路のぬかるみ対策)、および維持・管理、(4)発電施設の設置(発電機[1台]は第1期で購入済み)、および維持・管理、(5)給水、および給水設備の維持・管理(社団法人アジア協会アジア友の会、Oxfam等との共同作業)を予定。
その後、ムザファラバード市内とその周辺地域、山間部などの倒壊家屋、被害を受けた路面の補修や修繕、瓦礫の撤去といった軽作業に、アザド・ジャンム・カシミール(AJK)州政府や国際機関(UNHCR等)から得られる詳細な被災情報を基に、作業員(入居者)を随時派遣する予定。(アル・ムスタファからの提案書あり[別紙5・8参照])さらに、未使用のままとなっている日本政府調達のテントを、キャンプ・ジャパン事業パートナーであるアル・ムスタファから要請を受けたキャンプ地(マリク・プラ、タンドリより北に20キロ)に、同様に作業員を派遣し設営する。(別紙3・4参照)マリク・プラでは、キャンプ・ジャパン設営事業で培ったテント設営の経験とネットワークを最大限に活用し、依然として衛生環境の整わない自然発生的キャンプなどで暮らしている被災者を受け入れ越冬支援(テント設営、寝具配布)を行う。ただ、政府調達テントは国際機関、テント業者などの説明によればカシミール州での越冬に相応しくない仕様とのことで、当団体では厳冬期に対応可能な仕様にテント業者を通じ改良して設置する予定。

【業務手順】

  1. キャンプ・ジャパン入居者から参加希望者を募り、アル・ムスタファ協力のもと面接、契約を行う。採用者のデータベース化を行ったのち、JCCPスタッフのもとにグループ化する。
  2. 資機材や工具の調達、および運搬用のトラック、重機の手配等を行う。入手が困難な重機に際しては、パキスタン軍へ協力を求める可能性もある。
  3. JCCPシビル・エンジニア指導のもと、基本的な技術指導を行う。
  4. キャンプ地内の補修・整備作業は、協力団体等の要請に基づいて適宜作業員を派遣する。
  5. アル・ムスタファ調整のもと、AJK州政府やUNHCRなどから詳細な周辺地域被災状況を(別途添付)入手し、道路の補修・修復、家屋の瓦礫撤去等にかかる作業実施区域を選定する。州政府や監督官庁からは、必要ならば作業に際しての許可証等の発行を求める。
  6. 選定した作業地情報に基づき工程表を作成し、補修・修復計画を立案する。
  7. アル・ムスタファを通じてAJK政府やUNHCRと協議を重ね、新たなテントの設営計画を策定する。これに先立ちアル・ムスタファと事業契約を結ぶ。
  8. 契約書に準じて作業員を派遣し、テントの設営、寝具の配布を行う。

【基本人役】
役 名 仕事内容 人員
プログラム・マネジャー(日本人) 事業全体の統括 1名
シビル・エンジニア(日本人) 現場監督 1名
プログラム・オフィサー(日本人) 運営、関係団体との連絡・調整、調達等 3名
ナショナル・プロジェクト・コーディネーター(現地スタッフ) プログラム・オフィサーの補助、通訳 1名
ナショナル・シビル・コーディネーター(現地スタッフ) 作業員の運営・管理など 1名
シビル・エンジニア(現地スタッフ) 道路の修繕等に関する調整など 1名
アシスタント・シビル・オフィサー(現地スタッフ) ナショナル・シビル・コーディネーターの補佐 2名
ナショナル・キャンプ・コーディネーター(現地スタッフ) キャンプ設営に関わる調整など 1名
テント設営アシスタント(現地スタッフ) テント設営に関わる調整など 2名
テント設営マネジャー(現地スタッフ) 現場でのテント設営の責任者 1名
テント設営マネジャー・アシスタント(現地スタッフ) テント設営マネジャーの補佐 1名
電気技師(現地スタッフ) キャンプ電気技師 1名
電気技師アシスタント(現地スタッフ) 電気技師の補助 1名
建築技師(現地スタッフ) キャンプ地の補修・管理 1名
セキュリティー・オフィサー(現地スタッフ) JCCPスタッフの安全管理 1名
アシスタント・セキュリティー・オフィサー(現地スタッフ) セキュリティー・オフィサーの補助 1名

【最終裨益者見込み数:3450人】

  事業期間 2006年2月1日〜2006年4月30日
裨益者計 3450人 ※裨益者/最大執行人役〜
※事業費(直接経費)/最大執行人役〜
事業内容 地域名 計画数値 裨益者 事業費
キャンプ・ジャパン(タンドリ)および周辺地域 ・キャンプ施設補修・管理、路面の補修、瓦礫撤去等
・生計支援事業参加による収入(Rs.250x30人/日x111日)
・キャンプ内への水供給(3万リットル/日)
250家族(1500名)+間接裨益者150(最大)名 10,698,800円
マリク・プラ テント設営(住居用300張、集会用10張)、寝具配布(300世帯、1800名分) 300家族
1800名
18,519,000円
合計 29,217,800円
執行体制状況

1.JCCP現地体制
本事業は当センター(JCCP)事務局長が総括し、パキスタン事業要員として本部事務職員(1名)が日本における総務、対外交渉、調整・連絡等を担当。本部の経理職員が本事業の会計業務を担当する。現地ではJCCP本部の指揮に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の調整により各NGOと一致協力し、JCCP国際(日本人)・ナショナル(現地スタッフ)の両スタッフが日々の業務に当たる。
JCCP派遣の国際スタッフは、プログラム・マネジャー(1名)が事業を統括し、シビル・エンジニア(1名)が現場監督および施工管理を、プログラム・オフィサー(3名)が日々の運営や現場監督補佐、関係団体との調整、物資の調達等を担当する。国際スタッフの業務の詳細としては、4名がムザファラバードを基本的な活動拠点とし、調達担当の職員はイスラマバードに常駐し東京本部との連絡・調整等を一括して執り行う。現地採用のスタッフは国際スタッフの業務補佐や通訳、運転等に従事する15名と、キャンプ・ジャパン入居者から採用する作業員が最大で150名とする。ムザファラバード事務所はJPFが代表して借り上げる共同家屋内に設置する。

2.関係団体との協力(PWJ/JADE、JAFS、Oxfam、AJK州政府、アル・ムスタファ、パキスタン軍、UNHCR等)
キャンプ・マネジメント事業を行うPWJ/JADEは、キャンプ内施設における日常の細かな修繕に取り組み、比較的甚大な損傷等についてはJCCPが作業員を派遣し修復に当たる(トイレ、シャワー、沐浴場、ごみ捨て場、排水溝の日々の維持・管理を除く)。なお日常の修繕にかかる工具、および資機材はJCCPがキャンプ等の補修・整備用に調達したものを必要に応じ使用する。
給水施設の運営・管理においては、社団法人アジア協会アジア友の会[JAFS]、Oxfamと共同で実施する。事業実施にあたっては、実質的にJAFSプロジェクトマネージャーとJCCPプログラム・マネジャーが共同で指揮運営に当たる。Oxfamは1日に4回、給水車でキャンプ地まで水を運搬する。JAFSは水質の管理(定期検査等)を、JCCPは給水設備の維持を中心に、いずれもOxfamと協力のもと業務に当たる。水質管理業務に際してはJAFSの担当者が、修理に関しては両団体協力のもと事業に取り組む。
その他関係団体との協力については、事業地策定にかかる地域別被災状況の情報提供や、修復作業に際しての行政府における管轄部局との連絡や調整(AJK、UNHCR、ムスタファ)、重機の借り上げ(パ軍)、雇用者の選定、工程表の作成、作業員間での調整等(ムスタファ)など。

3.個別事業体制
作業員は当初10名で1チームとし、合計で5チーム程度、延べ最大で150名を予定。(キャンプ入居者数の増加にともない、各チーム構成員が最大30名まで増加する可能性あり)各チームともJCCP現地スタッフが運営・人員の管理等を担当し、一定の訓練・準備期間を経て作業に当たることとする。業務はチームごとの日替わりとし、土・日は事業未実施日とする。作業地への人員や資機材の移動は軽トラックを使用し、そのため最大で10台程度の車両を用意する予定。就業時間は基本的には午前9時から午後5時を予定。作業員ができる限り公平に収入が得られるようにとの配慮から、勤務はチームごとに日替わりのシフト制とする予定。(別紙1・2参照)

    人役計 従事業務 事業費(人件費)
本部人役(東京) 2人役 総括、経理・総務 1,800,000円
現地人役計 20人役   12,308,457円
  国際スタッフ人役 5人役 事業統括、現場監督、運営・調整、調達・連絡の各担当 5,981,457円
現地雇用人役 15人役 ナショナル・プログラム・コーディネーター、ナショナル・シビル・コーディネーター、シビル・エンジニア、アシスタント・シビル・オフィサー、テント設営コーディネーター、ナショナル・キャンプ・コーディネーター、テント設営マネジャー、テント設営マネジャー・アシスタント、テント設営アシスタント、電気技師、電気技師アシスタント、建築技師、セキュリティー・オフィサー、アシスタント・セキュリティー・オフィサー 1,188,325円
合   計 14,108,457円
国外連携先 団体名称 連携状況
  NGO Al-Mustafa(アル・ムスタファ) 行政府・国連機関の轄部部局等との調整、雇用者選定、作業指導・運営補助
Oxfam 水供給事業にかかる連絡・調整、助言等
国連機関 UNHCR 補修・修復地域の選定にかかる情報提供、政府および地方行政府の所轄部局との連絡・調整、作業にかかる助言、テント設営に関する助言等
現地行政府 AJK州政府 補修・修復地域の選定にかかる情報提供、事業許可証の発行等
現地軍部 パキスタン軍 重機等の借り上げ
総事業費 62,918,257円 財源状況(自己財源:0円、JPF財源:62,918,257円)
事業スケジュール
日程(予定) 内 容
1週目(初日〜7日目) ナショナル・スタッフ採用開始
作業員(キャンプ入居者)の採用開始(データベース化)
資機材・工具、重機等の調達
事業地域選定(キャンプ内・外)
チーム、およびグループ編成
工程表作成
作業訓練・技術指導
寝具の調達、テントの改造作業
2週目(8日目〜14日目) 作業開始
訓練・技術指導の継続
資機材・工具等の補充、修理
3週目以降(15日目〜111日目) 作業の継続
資機材・工具等の補充、修理