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CONTENTS
スーダン人道支援トップ
スーダン  南部
  最終モニタリング報告書
(08.03.18)
 
JPFスーダン南部人道支援の概要
2008年支援概況
団体別モニタリング結果要約
モニタリング調査の結果まとめ
提言
  第1期進捗報告
(07.06.29)
【pdf】4.8MB
中間モニタリング報告書
 
JPFスーダン南部人道支援の概要
2007年支援概況
中間モニタリングの概要
モニタリング結果
所見
対応計画
調査ミッション概要
スーダン南部対応計画
調査ミッション行程概要

【pdf】92kb
(2006/05/09〜10)
スーダン南部対応計画
JPF支援スキーム

【pdf】40kb
想定事業計画概要
【pdf】208kb
ダルフール


スーダン人道支援
スーダン南部人道支援中間モニタリング報告書
モニタリング調査の結果まとめ
(1) 難民・国内避難民の帰還の遅延

 2007年において、UNHCRは10万2000人の計画的難民帰還を想定していたが、実際の帰還難民の数は、45,794人と半数以下であった(UNHCR, Sudan Repatriation Operation 2008, Weekly Statistics, 12 Jan, 2008)。これらは、現地でのヒアリングによると、帰還先の環境整備の遅れ、雨季が長期化したこと、水害による輸送事情の悪化、UNHCRの財政的な事情等の要因が影響していると考えられる。UNHCRジュバ事務所は、本格的な難民帰還は、今年2008年および2009年に行われると予測している。JPF事業が展開している、上ナイル州、ジョングレイ州、東エクアトリア州、中央エクアトリア州は、全て難民受け入れの主要地域であり、帰還難民への支援はこれからが正念場を迎えるという状況にある。

 南スーダンと青ナイル州で193万5000人(UNHCR, Nov. 2007)といわれている国内避難民の帰還支援においては、州により取り決めは異なるようであるが、主にUNHCRとIOMが担当している。国内避難民の帰還状況に関する包括的データは入手できなかったが、難民と同様の事情により、ハルツームなど都市にとどまる者が多く、帰還民の数は予定よりも少ない傾向にある。

 一方、難民・国内避難民の帰還先における状況が整っておらず、帰還した難民がまた元に戻るケースも見られている。水設備ですら未整備のところが多く、膨大な緊急的ニーズが存在する。2011年の国民投票に向けた平和の定着を進めるためには、難民・国内避難民の生活環境を整えることが極めて重要である。

(2) セキュリティー状況
  1. 治安全般
     モニタリング実施時(2008年1月)南部スーダンの治安状況は、国連のカテゴリーでphase3(Relocation:主要職員のみ滞在可・同伴家族は退避)にあたる。一応の安定はみせているが、2006年のJPFの活動開始以後も、今日まで東エクアトリア州、ジョングレイ州、中央エクアトリア州、上ナイル州など、JPF実施NGOが活動するすべての州で政府軍とSPLA、民族集団間、あるいは同一民族内の異なるセクション(トライブ)間の衝突、虐殺、牛掠奪などの事件が後をたたず、深刻な事態に発展する可能性は常にある。

  2. NGO同士の連携・対策
     こうした中で、6団体いずれも、UNDSSのDaily Security Reportを直接・間接に入手し、調整会議でUNDSSのブリーフィングを受けるなど情報収集を行っている。また、事務所が近いJENとPWJは武器回収などが実施される際には、互いに情報を共有し、該当地域への移動を控えるなどの共同の対策をとっている。他方で、JPF実施NGOの活動地は分散しているため、東京本部から転送されるJPFの週報で他団体の活動地域の治安状況や当該団体の対策について情報を得ている組織もある。

  3. 交通事故と地雷問題
     2007年には、AARのスーダン人ドライバーがケニアのロキチョキオで交通事故を起こしているが、スーダンは苛酷な気象条件から道路事情が劣悪である上、ケニアやウガンダなど隣国からの輸入物資を運んだ過剰積載の長距離トラックが利用する幹線道路では、これら車両の横転事故が後を絶たない。幸い、日本人職員が絡む事故は1件も発生していないが、徹底して現地職員に安全運転を指導する必要がある。
     また、UNMAS(国連地雷対策センター)の調べではスーダンの全25州のうち、21州が地雷や不発弾に汚染されているとされる。JPF参加NGOの事業地あるいはその途上の道路が除去活動の対象となっている地域も多い。調査が終了していない地域もあり、新たに事業地に入る前には、UNMASや除去関連NGOなど関係機関からの情報、地元の住民からの情報(人間や家畜の被害状況)収集は必須である。
【JEN】ラニャ群コミッショナーとの会合【JEN】衛生教育に使用する人形劇人形
(3) 各ステークホルダーからの高い評価と継続支援の要請

 JPFによる助成で行われた事業の多くは、現地政府、関係省庁、SSRRC, 関係援助機関と、適切な調整が取られ、国家全体計画に基づくニーズの高い分野に対応していること、また日本の顔を見せながら、着実で迅速な活動が行われたことで、存在感を示し、高い評価を受けていた。同時に、現地政府、国連機関からは、帰還民受け入れの基本的生活環境整備に対するニーズが甚大であることから、更なる継続的支援の必要性と、日本のNGOの支援に対する大きな期待が示された。

 JPFの事業においては、難民受け入れセンター運営、水・衛生設備の整備等、帰還民の生存に最も不可欠な基本ニーズを満たす支援を優先させたが、学校や診療所へのアクセスや、収入の術を持たない人々が多く、帰還民や現地政府からは、帰還後の基本的生活を保障する支援として、教育、医療、収入向上支援への強い要請を受けた。帰還後の生活環境整備については、基本的なニーズを満たすだけでも支援すべきことは膨大に存在し、継続的な国際社会からの支援が必要とされている状況にある。

(4) 他ドナーの動向

 現在14カ国がジュバに領事館を持っているが、日本のプレゼンスはJICAが駐在員事務所を持つのみと非常に低い(JPF助成による6団体の支援活動は日本の存在を示す上で大きな役割を果たしていた)。そうした状況に比べ、米国、カナダ、欧米諸国(EU, イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー)等の主要ドナー機関は、ジュバに事務所をもちつつ、現場の状況に迅速に対応できる体制をとっている。現場事務所の裁量権限も非常に大きい。JPFにおいても、ドナーとしての責務を果たし、より効果的な支援を追及するのであれば、現地の状況に即応できるプレゼンスと関連機関との連携促進が求められよう。

 また、支援期間においては、上記主要ドナーは、少なくとも2011年の国民投票までを緊急人道支援のフェーズと定め、あらかじめ期間を設定した対応ではなく、現場の現状を定期的に分析し、援助機関同士が連携しつつ、全体計画に対応した援助政策に基づいた支援活動が行われている。緊急人道支援のみをマンデートとするECHOにおいても、2011年以降をも緊急人道フェーズとして設定している。緊急人道支援を主要なマンデートとするJPFが、緊急人道ニーズが本格化するこの時期に支援期間を終えることは、現場の事情を鑑みると、現地政府、関係援助機関からの理解を得ることが困難であった。

【PWJ】完成した井戸を使う人々【PWJ】完成したトイレと維持管理者
(5) 資金における課題

 日本においてはとくに、紛争後の支援に対する民間資金は、自然災害の場合のようには集まらないため、政府支援金から民間資金への繋がりが実現できない。したがって、政府支援金拠出の制約からJPF事業期間があらかじめ2007年末までと設定され、多くの実施団体は今後外務省のNGO連携無償から獲得する必要が生じている。しかし、NGO連携無償は、2000万円以上の事業においては、事業総額の80%が助成限度額となるため、2000万円以下に活動を抑えて、事業を縮小せざるをえないケースも見られている。本年、国連資金を確保しているNGOは、国連資金部分を自己資金として、前年と同規模の活動を行う予定であるが、国連機関の資金においては、数年後予算計画が不透明であり、急な予算縮小、事業資金削減が起こる可能性もあるため、近い将来資金的な制約が生じることも予測される。

 一方、スーダンに対する日本政府の補正予算は、2007年12月に2400万ドルがスーダン南部に対して拠出されたが、全て国連機関に対してであり、NGOに対する直接拠出はなかった。日本のNGO活動継続にあたって、安定した活動資金確保が事業継続の要となることから、今後日本政府には、ODA-NGOの政策的協議などを通じ、JPF参加NGOの活動を支援するような効果的な予算措置が行われるよう働きかけることも必要であろう。

(6) JPF事業全体としての評価

 ジャパン・プラットフォーム(JPF)では、初動段階よ、UNHCR、WFP等の国連機関と共同調査を行い、JPF事業全体において、包括的支援シナリオを作成し、「難民帰還支援」という目標設定を行った。CPA締結後、国民投票に向けてベンチマークが設けられた再建過程に関与するにあたっては、事業を越えた枠組みで、シナリオを策定しながら、包括的目標を目指す体制を構築したことは、重要かつ意義深い試みであった。定められた「難民帰還支援」という目標も、最重要分野をカバーし、NGOの得意分野を活かした適切な設定であったと考えられる。

 また、国連機関との連携においても大きな効果が現れた。JPF事業を通じて、参加NGO6団体が、JPFより総計約7億2千万円の助成を受け、事務所等の活動基盤を整備しながら、約1年半の間に10事業を実施した。これらのJPF事業をベースとし、約3億1千万円規模以上のUNHCR、WFP等の国連機関との事業提携が達成されたことは、より大きな支援効果を生んだといえる。国連との連携は、2007年までの実績をもとに、2008年度においてほぼ同規模の連携が維持されている。

さらに、実施5団体の活動が、United Nations and Partners: 2008 Work Plan for Sudanに掲載されていることは、全体支援の流れを重視したJPFの事業方針と参加団体の高い実施能力の現れであり、高く評価したい。(2007年度のWork Planでは、国際NGOを除いて掲載されておらず、課題となっていた。)

 これらの成果においては、初動時点より、実施NGOが中心となり、ワーキンググループを立ち上げて取り組んできたことが、事業の調整や実施に大いに役立ち、スーダン南部地域においてバランスの取れたJPF支援活動を可能としたと考えられる。JPFとして6団体が様々な地域で展開し、他機関とも連携したという成果は外部への発信の仕方としても今後のモデルケースとなり得る。


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