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対応計画

出動趣意書


初動調査報告

JPF 9/12-9/20

JAR&WVJ 9/12-9/20

活動地図



南部アフリカ干ばつ被災者支援(スワジランド)・情報

スワジランド干ばつ被災者支援初動調査
2007年9月19日
JPF事務局
1. 背景

 スワジランドはホホ地域、マンジニ地域、シセルウェニ地域、ルボンボ地域の4地域から構成されている。ホホ地域とマンジニ地域はhighveldと呼ばれ同国の穀倉地帯であり、ルボンボ地域とシセルウェニ地域はLowveldと呼ばれ慢性的に干ばつ被害を受ける地域である。

 スワジランドでは、2006年から2007年にかけて農耕期(9月から11月)に雨が降らず、農作物は壊滅的な被害を受けた。この旱ばつは従来とは異なり、スワジランドの穀倉地帯であるhighveldにも被害が及んでおり非常に深刻な食糧および水不足を引き起こしている。また、国民の42%がエイズに罹患していること、国民の69%が1日1ドル以下の生活をしていることなど他の要素も相まって、干ばつ問題は更に深刻かつ複雑な様相を呈している。

 政府は、今年6月初旬に今回の干ばつに関し非常事態宣言を行い、その対応のために2360万ドルの支援計画を発表した。また、7月20日には国連が緊急アピールを発出し、約41万人が食糧、水と衛生などの分野で支援を必要としているとし、国際社会に対し約1870万ドルの支援を要請した。

 ジャパン・プラットフォーム(JPF)では、8月30日の第5回常任委員会において、JPF参加NGOである特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WJV)と特定非営利活動法人難民支援協会(JAR)が関心表明を行い、9月12日より初動調査を行っている。今回の干ばつは、JPF事務局が「干ばつ支援」の出動基準として定めている被災者10万人を超えていること、また、深刻な干ばつ被害を受ける南部アフリカの干ばつ被害にJPFとして対応すべきとの観点から、事態の深刻性を鑑み同国へJPF事務局から2名を派遣し初動調査を実施することを決定した。

 なお、南部アフリカは慢性的に干ばつ被害にあうが、中でも本年度はスワジランドに加えレソトで7月9日に干ばつに関する国連緊急アピールが発出され、農業、初期復興、食糧、栄養、プロテクション、水と衛生分野などで約1900万ドルが、ジンバブエでは7月7日に国連統合アピールが発出され約2億5300万ドルが農業、食糧、栄養、プロテクション、教育、シェルターなどの分野で必要とされている。レソトでは、昨年度と比較して51%もメイズの生産高が低下し、全人口1,872万人のうち約55万人が支援を必要としている。ジンバブエでは、政府が「2007年を干ばつの深刻な年」と宣言し、昨年度と比較して穀物生産が44%減少していると推定されており、メイズの生産高も昨年度と比較して46%低く、約4100万人が食糧支援を必要としている。

2. 事業目的

  • スワジランド国民の生活状況調査
  • 旱ばつに対する政府機関、国際機関、NGOの支援状況調査
  • 南アフリカ共和国およびスワジランドにおける日系企業に対するJPF活動の説明と連絡体制の確立
  • JPF参加団体による現地調査概要の把握
  • JPF対応計画の方針策定に関わる情報収集

3. 出張者

  • JPF代表理事 長有紀枝
  • JPF事務局員 山内麻里

4. 日程

2007年 JPF事務局
長代表理事・山内事務局員
9月12日(水) 成田発(シンガポール経由)
9月13日(木) ヨハネスブルク着
日本大使館訪問
ヨハネスブルク発
マンジニ着
9月14日(金) ワールド・ビジョン・スワジランド事務所訪問
UNICEF事務所訪問
Ministry of Economic Planning and Development訪問
Ministry of Regional Development and Youth Affairs訪問
Ministry of Agriculture and Co-operatives訪問
9月15日(土) フィールド調査:ルボンボ地域ロマハシャ
9月16日(日) WVJ、JAR情報整理、打ち合わせ
9月17日(月) フィールド調査:ルボンボ地域ロマハシャ
ムババネ戻り
Ministry of Regional Development and Youth Affairs
(大臣表敬訪問含む)
9月18日(火) マンザニ発
ヨハネスブルク着
共同通信社ヨハネスブルク支局長訪問
讀賣新聞社ヨハネスブルグ支局長訪問
毎日新聞社ヨハネスブルク支局長との意見交換
伊藤忠商事(株)、三菱商事(株)、YKK(株)の方々との意見交換
9月19日(水) 在南アフリカ共和国日本国大使館訪問
ヨハネスブルク発(シンガポール経由)
9月20日(木) 成田着


5. 調査結果

(1)概況

(イ)干ばつの被害状況
  【食糧不足と貧富の格差】
   スワジランドは近年で最も厳しい干ばつに見舞われており、1200万の国民のうち40万人が人道支援を必要としている。農作物を植え、生育させる時期に降雨が無かったため、2007年のトウモロコシ(メイズ)の推定生産高はマイナス61%(約26,000MT)と激減している。更に悪いことに、今回の干ばつはLowveldのみならず従来穀倉地帯であったHighveldにも被害を及ぼしており、従来政府が対応してきたように穀倉地帯の食糧を乾燥地帯に配布することが不可能となっている。


「中所得国」であるスワジランドの都市部(マンジニやムババネ)には確かにショッピングモールやスーパーマーケットなどで食糧は販売されており、現金があれば入手可能な状況である。しかし、富の配分が極度に偏っている同国(人口の3分の2が1日1ドル以下の生活をしており、貧困層の約80%が地域に住んでいる)では、地方に最もこの干ばつのしわ寄せが行くため、統計上では伺い知ることが出来ない地方の現状を確認する必要がある。

 今回の調査で訪問したモザンビークの国境に近いルボンボ地域ロマハシャでは、大半の人々は農業や家畜を主体とした生活と、その貧しさを補うための出稼ぎ(現金収入)に依存した生活を送っており、今回の干ばつ被害により政府やWFPから食糧支援を得ている状況である。特に子どもを家長とする家庭では現金収入が無く、毎日の食事にも事欠く状況であったほか、食糧費捻出のため教育費※1を食糧購入に当てる家庭も増加しているとのことであり子どもの就学を妨げている。

※1 スワジランドでは初等教育は義務ではなく有料である。

ロマハシャの子どもを家長とする世帯の台所。食糧の備蓄が全く無い状況   トウモロコシ畑の様子

  【食糧価格の上昇】
     更に、この干ばつを受け主食であるトウモロコシ(メイズ)、砂糖、調理用油などの食料品の値段も上昇しており、貧困者の生活を一層困難なものにしている。実際、初動調査で訪れたロマハシャの女性から事情を聴取したところ物価は次の図のとおり前年比で約2倍に上昇していた。更に、コミュニティで食糧が不足していることにより、ロマハシャの人々はバスに乗車し遠隔地(SimunyeやShewula)へ買い物に出かけるためバス代(それぞれ6R、10R)もかかり家計の負担になるとのことであった。

  トウモロコシ(20kg) 砂糖(1kg) 調理用油(7.5ml)
2006年 E30 9R 7R
2007年 E60 15R 12R

 また、同じコミュニティにある雑貨屋の女主人(Momsa Mabia 36歳)からも事情を聴取したところほぼ同様の結果が得られた。


  (ロ)野火(wildfire)の発生とその影響
     6月22日よりスワジランド北西部より山火事が発生し、強風にあおられ被害はホホ地域、マンジニ地域、シセルウェニ地域の一部にまで広がった。この野火により、20名以上が死亡し、225世帯(1,372名)が被災したほか、数千の家畜、農作物、牧草地が焼かれた。また、木材プランテーションも被害を受け、同国の主要産業のひとつであり、多数の雇用を創出している林業にも大きな影響を与えている。スワジランド政府が国家非常事態宣言を出すほどこの被害は深刻となり、政府は緊急処置として被災者に対し食糧支援、NFI※2の配布を行っている。
 この野火は、干ばつに関する国連緊急アピールが発出された後の出来事であり、政府関係者や国連関係者は同国で支援を要する人の数は国連緊急アピール発出時の41万人から増加しているものと見ている※3。更に、政府は干ばつ被災者への対応に加え、野火の被災者に対する支援も実施する必要があるため、かねてより国家予算が逼迫していることから※4、国際社会からの一層支援を必要としていると思われる。

※2 225×125kg Sunlight soap, 23×100 matches, 250 face clothes, 125 sauce pans, 25 liters buckets, 225 regular size blankets
※3 Ministry of Regional Development and Youth Affairs, Ministry of Economic Planning and Development, UNICEFより聴取。
※4 政府関係者より聴取。政府は、資金の有無に拘らず災害時には予算処置を講じる計画を発表するため、拠出が遅れる乃至されないことがある旨述べていた。

  (ハ)スワジランドが抱えてきた問題
     今回の干ばつは、同国が抱える他の深刻な問題により、地方の農業従事者(特に子どもや未亡人を家長とする家庭といった脆弱グループ)の生活に大きな負の影響を与えている。

  【エイズ感染者の拡大とその社会的・経済的影響】
     スワジランド政府はエイズ問題を国家規模の災害として宣言した。世界で最も高いエイズ感染率である同国は人口の約42%がエイズ・ウィルスに感染しているとされる。働き盛りである25歳から29歳では39.2%、30歳から34歳では44.9%が感染しており※5、それらの人々が死亡ないし就労が不可能となることにより同国の経済に大きな影響を与えている※6。スワジランド政府関係者によれば、農業分野では生産性、生産高に大きな影響を与えていると懸念を表明していた。
 エイズの拡大はスワジランド社会にも大きな影響を与えている。エイズによる両親の死亡により子どもを家長とする家庭が出現しており、今般訪問したロマハシャの14のコミュニティでは、1つのコミュニティ(約1,000人)当たり約25家庭が子どもを家長としているとのことであった。これらのコミュニティでは、一世帯6人から8人で構成されているが、両親が亡くなった場合4名から6名の面倒を家長である年長者の子どもが見る必要がある。深刻な干ばつのもと収入源もない上自身の家庭の農作物の収穫も無いため小さな子どもの面倒を見ることは困難である。伝統的にコミュニティでは、近所の家庭がそのような家庭に食糧を分け与える習慣があったが干ばつ被害により分け与える食糧が無く、大きな問題となっている※7

※5 Swaziland Demographic and Health Survey 2006-2007
※6 2007年度脆弱性評価・分析報告15ページ
※7 実際、14のコミュニティの代表者にそれぞれが抱える問題を提示してもらった際、子どもを家長とする家庭が上がっており、そのほか食糧、水、診療所の欠如が上げられた。

  【エイズ患者の治療への悪影響】
     同国は抗レトロウィルス薬を導入し無料でエイズ治療薬を配布しているが、干ばつによる食糧不足と空腹により、副作用を恐れてエイズ患者は薬を飲むことを控える傾向にあり、エイズ患者の状態を一層悪化させる原因にもなっている。

  【貧困問題】
    同国は、国民の69%が貧困ライン以下の生活をしておりその大半は地方に居住している。更にスワジランドの限定的な雇用機会や、1994年の南アフリカ共和国独立にともない、同国の鉱山で出稼ぎとして働いていたスワジランド人が本国に帰還せざる得ない状況になったことなどにより、40%という高い失業率を抱えている※8。かねてからの貧困生活と高い失業率により生活が困窮していることに加え、今回の干ばつによる食糧および水不足と食糧の物価上昇により更に生活状況が悪化していると考えられる。

※8 2006年度脆弱性評価・分析報告18ページ


  (ニ)スワジランド政府および国際社会の対応
  【スワジランド政府の対応】
     スワジランド政府は従来の干ばつに対しては、緊急食糧支援を行うなどその場限りの緊急対応のみに焦点を当ててきた。この反省に基づき今回の干ばつでは、短期、中期、長期的観点から緊急支援を行いつつ、干ばつに耐えうるメカニズムの創設をしようとしている※9
 緊急対応としては、E1700万(現地通貨)の支援計画を発表し、水供給(E8000万)、シリアルなどの食糧供給(第一期E6000万)、食糧供給(第二期E3000万)に対する支援を行おうとしている。具体的には、第一期(8月から11月)に19万人を対象に1人に月々12キログラムのシリアル(トウモロコシ)、1.8キログラムの砂糖豆、750ミリリットルの調理用油を配布することを考えており、第二期(12月から2008年4月)には21万5,000人を対象に同様のパッケージの提供を考えている。しかし、資金不足により昨年度の干ばつ被災者に対する支援をいまだ行っている状況であり、今般の災害対応は実効されていない。第一期の開始は9月末にずれ込む見込みである※10。更に、政府は水を支給するとしつつも給水タンカーを2台有するのみであることから被災地すべてに水を配布できておらず、食糧配布も散発的で十分な支援が行われていないとの声がコミュニティ・リーダーたちから寄せられた。
 政府は地域開発・若者関係省内に、この干ばつを含む災害に効果的に対応するため、災害管理タスクフォースを災害管理ユニットとして立ち上げようとしている。このユニットは、食糧や水の配布をNGOを通じて行うことが想定されているが、まだ設置途上でありその体制は十分に整っていない。また、干ばつ支援のためにスワジランドで活動するNGOの数が増加しているが、NGOの活動を取り仕切る内務省(Ministry of Home Affairs)が、現在NGOの活動ガイドラインを策定しているところであり、対応が遅れているのが現状である※11

※9 Ministry of Regional Development and Youth Affairs、Ministry of Agriculture and Co-operative職員の話。
※10 Ministry of Regional Development and Youth Affairs
※11 NGOの活動を調整するNGO「CANGO:Coordinated Assembly NGOs」が存在しており、内務省と連携しているとのことであった。

  【国際社会の対応】
     国連は7月20日に緊急アピールを行い国際社会に対し約1870万ドルの支援を要請している。現在のところそのうち17%が満たされているのみであり※12、そのほとんどはCERFから拠出されている。また、ユニセフ代表によれば国連緊急アピールに唯一応えたドナーは英国DFIDであり、1.5百万ポンドをWFP経由で食糧支援にあて、0.5百万ポンドはユニセフ経由でWATSANに当てると述べていた。いずれにせよ、スワジランドの干ばつに対する緊急アピールへの国際社会の反応は鈍いといえる。他方、同じ干ばつで緊急アピールを発出した南部アフリカのレソトは、国際社会から既に60%の支援を得ている。統計上中所得国に位置するスワジランドには国際社会からの支援が集まりにくいことがこの支援状況の違いを生み出していると国連機関は見ている。
 今回の干ばつでは、WFP(食料配布)、FAO(農業支援)、UNICEF(プロテクション)などがNGO(ワールドビジョン・インターナショナル、赤十字、キリスト教系NGOなど)と協力し緊急支援を行っているが、地方にいる貧困者は、き目の細かい支援を更に必要としている。今回の調査で訪問したロマハシャにあるユニセフが建設したNCP(neighborhood care point)※13では、3人の女性が午前8時30分から午後3時まで0から7歳までの58人の孤児や低所得層などの脆弱な子どもたちの面倒を見ている。NCPには、WFPより毎月25キログラムの食糧袋(トウモロコシ)を6つ、豆50キログラム、調理用油2.5キログラムが提供され、干ばつで食糧がない子どもを支援している。その一方でNCPにはFAOが設置した2つの水タンクがあったが、政府からの水供給が昨年来滞っていることから空の状態で置かれていた。

※12 2007年度脆弱性評価・分析報告より。国連によれば9月2日現在、CERFから154万ドルがFAOへ、160万ドルがWFPへ拠出されているほか、ドイツが飲料水支援として3万ドル、イタリアが食糧支援として7万ドル拠出しているのみ。
※13 初動調査時に意見交換した14のコミュニティ・リーダーによれば、同地域でNCPを4つ運営しており、2つを設置する計画とのことであった。

NCPにある食糧   NCPにある空の緑色の水タンク


(2)事業展開にかかる関係機関との連絡・調整体制の確立

  (イ)メディアとの意見交換
 共同通信社、毎日新聞社、讀賣新聞社のヨハネスブルグ支局長と面談し、当方よりJPFの活動および今般の初動調査の概要を説明し、今後も情報共有を行っていくことで合意した※14
  【面談した方々】
  共同通信社 伊藤慎司支局長
毎日新聞社 白戸圭一支局長
讀賣新聞社 角谷志保支局長

 なお、各社ともにジンバブエの状況および支援動向について大きな関心を有しているとの発言があった。

※14 ある支局長より、干ばつはニュースになりにくく、記事にしても本社で採用してもらいにくいとの発言があった。

  (ロ)日系企業との意見交換
   南ア(ヨハネスブルグ)に支店を置く伊藤忠商事(株)、三菱商事(株)およびスワジランドに支店を置くYKK(株)の方々(但しお目にかかった方々は南アに常駐)と意見交換を行った。当方よりJPFの活動紹介、今般の初動調査の目的と活動概要を説明した。現地の日本人会の広報担当である伊藤忠商事(株)青山様より、JPFの説明資料を同会のウェブサイトに掲載しても良いとの了承を得、今後も情報を共有していくことで合意した。

  【面談した方々】
 
伊藤忠商事(株) 中山登 アフリカ支配人補佐
青山慎一郎 マネージャー
三菱商事(株) 池田尚 金属部長
三舩正喜 アシスタント・マネージャー
YKK(株) Monte Kishimoto  ビジネス・プロダクト・スペシャリスト
Junichi Yamamoto セールス・マネージャー

 なお、企業の方によっては、ご自身がスワジランドに出張(都市部中心)に行く範囲で理解するところでは、干ばつ被害の深刻性に疑問とする声もあった。


(3)JPF参加団体による支援事業概要

  (イ)WVJ
 9月12日から22日までスワジランドで初動調査を実施し、水・衛生分野における支援および食糧の安全保障の観点から種子の配布と菜園作りを支援する方向で検討中。緊急支援期間として、6ヶ月を想定しており11月から早急に支援を開始することを検討している。なお、本支援はWVJが同地域で以前から検討している開発支援に先立って行われるものであり、緊急支援から開発支援まで継ぎ目なく行われることが想定されている。

  (ロ)JAR
 9月12日から22日までスワジランドで初動調査を実施し、NCPの運営能力の強化を支援することを検討中。

6. 所見

(1)スワジランドに対する支援の意義
  • 今般スワジランドを襲った干ばつは、同国の穀倉地帯にも被害を及ぼし、同国は深刻な食糧不足に陥っている。また、干ばつに関する国連緊急アピールが発出された後、同国は広範囲にわたる野火の被害にもあっており、被災者数は更に拡大している。それに加え、同国が以前から抱えているエイズ問題や貧困問題も重なり、政府は度重なる非常事態に負われており、支援活動は十分に実施されていない状況であった。国連機関による緊急アピールについても、スワジランドについてはいまだ17%しか支援が集まっておらず国連機関によるきめ細かな支援実施も困難な状況である。したがって、今般JPF参加NGOが同国(特に地方における弱者)を支援することは意義があるといえる。
  • 同国を襲う干ばつについては、先ず緊急のニーズとして挙げられている水、食糧関連支援を実施することが重要である。しかし、もう一方で慢性的な干ばつの発生の原因となってきた構造的問題があるため、緊急支援は日本政府とも協力して中・長期的な支援に基づく支援などと組み合わせて行うことで、真に地方の弱者を救済することになると考えられる。したがって、JPF資金で緊急に手当てが必要な支援を行いつつ、中期的な支援の素地を整備しJPF支援事業の後に日本政府と連携して開発支援事業を本格化させていくことが望ましいと考える。従来から「責任ある支援」との観点から、日本のNGOが緊急対応から中・長期的視野で支援を実施していくことが望まれていた。しかし、実際には資金不足などにより困難であった。今般WVJより聴取したところ10年間を想定した長期的視野で今般訪問したルボンボ州ロマハシャを同団体の民間資金などを使って支援していくことがWVJ内で合意があるとのことであった。10月にはWVJの開発を担当するチームが同地域でニーズ・アセスメントを実施する予定であり、まさにJPF資金を利用した緊急から民間資金などを使った開発までを視野に入れた「継ぎ目ない支援」が実施可能となる可能性が高い。JPF事務局としても、緊急対応から中・長期的支援を継ぎ目なく行うことを重視しており、効果的な干ばつ支援の実績を作ることを重視している。したがって、JPFとして干ばつ支援を実施し、事業終了後JPF参加団体にこの事業から得た資金的側面、事業立案の側面における教訓を共有することは、JPFにとって非常に参考になると思料するところ、JPF資金を使って緊急対応を行うことに意義があると考える。
(2)留意事項
  • 地方のコミュニティの中でも貧富の格差があるため、干ばつ支援実施団体は事業地や裨益者選定の際は真に支援を必要としている場所や人を選出できるよう工夫することが必要であり、その方途を十分に検討した上で事業申請を行うことが必要であると思われる。
  • 内務省が現在NGO活動に関するガイドラインを作成していること、地方開発・若者関係省内に災害管理ユニットが立ち上げの途上であることを鑑み、政府間内での調整や政府のNGOへの対応は未整備の点が多いとの感を受けた。したがって、今後支援を実施する団体は、スワジランド政府による干ばつ支援活動、国連機関、CANGOとの支援活動との情報共有、活動連携・調整を確保しつつ、事業の重複を避け相乗効果を図ることが重要であると思われる。
(3)JPFの対応
  • JPFとしては、降雨の状況を見つつ当面次回の収穫期までの間事業を展開することが望ましいと考えており、支援開始日から6ヶ月を緊急支援期間と設定し、3ヵ月後にモニタリングを行うこととで、ドナー(日本政府)に対するアカウンタビリティを果たすこととする。
  • モニタリング実施の際は、南アフリカ共和国に駐在するマスコミ支局や日本企業支社を訪問し、JPFのスワジランドにおける活動報告を行うこととする。
  • 本事業が終了した暁には、如何に緊急支援で中・長期的な支援の素地が整備され、如何に後続の支援実施に貢献したのかについて、WVJ並びにJARの事業終了報告に記載してもらうことで、他のJPF参加団体にも教訓を共有していくこととする。
(4)調査の制約
  • JPFとして南部アフリカの干ばつに対応するための初動調査との一面があったが、今般訪問したのはスワジランドのみであり、南部アフリカの干ばつに対応するための調査としては限定的となった。スワジランドや南アフリカ共和国を訪問した際、企業関係者、国連機関などの間で南部アフリカ(特に、レソトとジンバブエ)の干ばつにも人道支援が必要との認識が広く共有されており、スワジランドに加えJPFとして南部アフリカ地域の支援を実施していくことが望まれる。


【訪問記録】

  13日(木)
  10:00【在南アフリカ共和国日本国大使館訪問】
場 所: 大使館
出席者:
先方 田中康彦一等書記官、細川一等書記官、北原三等書記官、井ノ口専門調査員
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員
概 要: 冒頭、JPF、WVJ、JARの団体、本初動調査の目的をそれぞれ説明した後、先方より次のとおり述べた。
緊急から開発まで「継ぎ目ない支援」を行って欲しい。南部アフリカでは干ばつは頻繁に起こっており、構造的問題であることからセイフティ・ネットを作ることが重要ではないか。
スワジランドの治安状況は南アに比べると牧歌的で常識を守れば問題なかろう。干ばつ被害については、昨年の作付け時期に降雨が無く、農作物が十分に育成せず収穫がなかったことが問題。干ばつが慢性的に発生しているにもかかわらず、効果的な政府の対応が無かったこと、メイズ(とうもろこし)や小麦粉、小麦粉を使った製品の値段が上がっていること、ダムの水利も低下していることなども相まり状況は悪化している。もし雨季(10月)に降雨がなければ更に深刻な問題となろう。
スワジランドは一見したところ平和であり、被害は徐々に拡大しているようなので、緊急災害のようには見えない。政府が有効な対応をしてこなかったため、悪いことが蓄積され現在顕在化してきているように見える。また、国連が緊急アピールを出しただけでは、「緊急性」に関し説得するには乏しかろう。ただし、スワジランドには貧富の差がかなりあり、富裕層への影響は漸進的であるように見えるが、貧困層の生活状況については我々は報告書で把握しているのみであり、あなた方の調査に期待する。
スワジランドは、南アから食料を輸入しており、南アの物価に影響される。また、エイズの拡大も農業従事者へ影響を及ぼしており、生産性と生産高に影響している。
N連、人間の安全保障基金を使った長期的な支援を検討してされているようだが、そのほかにエイズのモニタリング評価の技術協力支援もJICAと進んでおり、無償資金協力については現在案件を探しているところである。また、草の根無償資金協力を使った支援(学校関連案件など)も考えられよう。マルチ・バイ、スキーム間連携の促進については国際的なモメンタムがあり、当方としても何とか対応したいと考えている。あなた方からのアイディアを期待する。
14日(金)
  8:30【ワールドビジョン スワジランド事務所訪問】
場 所: WVスワジランド事務所
出席者:
先方 Theo Huitema(WATSAN担当)
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員
概 要: 冒頭、Marko Ngwenya代表、Liz Satowグローバル緊急対応チームプログラム・オフィサーに自己紹介した後、Huitema氏より次のとおり説明があった。
2006から2007年の収穫は無いに等しく、あなた方がこの干ばつ問題に着目しスワジランドを訪問したことを歓迎する。
水については、コミュニティ動員、水供給などについての戦略ドキュメントがある。スワジランドには、中央、4つの地方、区、小地区、更に下部にまで続く構造があり、水分野で支援したいのであれば、この構造に従うことが重要。
水供給は大きな被害を受けており、Water Crisis Committee が評価を行い危対応機計画を作成した。短期(井戸、給水ネットワークの確立など)、中期(システム構築)、長期(衛生に焦点をあてた支援)解決策の、3つの要素から構成されており、ユニセフがこの書類を既に持っている。実施には至っていない。
衛生については、DFIDが健康・衛生促進に関する基準を作成しているところ。
WVは、干ばつ支援として105のポンプを作ろうとしており、水利レベルの低さにも対応できるようジンバブエで使用して成功しているポンプを導入することも検討している。来週にでもUNICEFと水利状況の調査に行くが、おそらく20%の水のみ場は枯渇していると思われる。通常100メートル掘ることが必要だが、枯渇していれば大型機械で更に深く掘る必要もあり、コスト的にも大きな問題となろう。また、それぞれの給水所には水委員会がありコミュニティが持続的に運営できるよう水管理、民間セクターとの連携、技術者の訓練なども支援することを考えている。
村の給水所が壊れたら、子どもたちは水を求めて長い距離を歩く必要があり、教育の機会、遊ぶ機会を奪われる。現在、給水所は機能しておらず、干ばつのために水利も低下しており、子どもたちに悪影響を及ぼしている。干ばつ支援は緊急対応を要する。

10:00【UNICEF訪問】
場 所: UNICEF事務所
出席者:
先方 Jama Gulaid代表他子どもの保護、衛生・水担当者4名
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員
概 要: 当方より、それぞれの団体に関し説明をしたところ、Gulaid代表よりスワジランドの干ばつ状況の概況について次のとおり述べた。(長代表理事と山内事務局員は、次のアポのため、ユニセフ代表の説明が終了後退席。)
7月に国連フラッシュ・アピールが発出され、スワジランドには多数のドナーがいないことから、プレトリア(南ア)でこのアピールを関係者に配布した。レソトも干ばつ被害にあっているが、スワジランドと異なり多数のドナーが支援している。スワジランドについては、DFIDが唯一フラッシュ・アピールに対応したドナーで、2百万ポンドをプレッジしている。1.5百万ポンドはWFP経由で食糧支援に、0.5百万ポンドはUNICEF経由で衛生・水支援に使われる。したがって、あなた方の訪問・支援は歓迎すべき展開である。
本年度の干ばつが通常の干ばつと大きく違うところは、通常干ばつ被害にあうlowveldだけではなく、全国に被害が拡大したことである。また、フラッシュ・アピールの後、8月にスワジランドの歴史上最悪の山火事があり、干ばつ被害に輪をかけて人々の生活を圧迫している。この山火事により、スワジランドの主要産業のひとつであり、多くの雇用を創出している林業に大きな打撃を与えている。家や学校は焼かれ、プラスチック製の水の容器は溶けてしまっている。
ユニセフは、サバイバル・キット(毛布、調理機材、ランプなど)を山火事で被害を受けた家族に赤十字経由で配っているほか、干ばつ支援では政府と水と衛生(WATSAN)、子どもの保護にも取り組んでいる。

11:00【Steven Motsa経済計画・開発省次官訪問】
場 所: 経済計画・開発省
出席者:
先方 次官、Ms. Lonkhululeko Lbandae副次官、他1名
当方 長JPF代表理事、山内JPF事務局員
概 要: 当方よりJPFの説明をしたところ、先方は次のとおり述べた。
この深刻な干ばつは予想されていなかったことであり、開発計画活動の外に位置づけられることから、早急に対応することが必要。スワジランド政府は170百万E(現地通貨)プレッジし、南アから食料を購入する予定。しかし、山火事も発生し木材プランテーションを壊滅状態にしていることから、支援は更に必要である。
降雨がなかったことにより、水が激減している。ルボンボ地方は毎年干ばつに襲われるが、昨年は全国的に降雨がなく収穫がなかった。このようなことは非常に稀である。また、深刻なエイズの拡大により農業従事者が死亡したり、農業に従事できない状況があり、これも干ばつの問題を悪化させている。災害管理チームが食糧を確保しようとしているが、現時点で十分な供給がない。国連アピールでは40万人が支援をしているとしたが、現在ではその数は増加していると思う。
また、スワジランドは抗レトロウィルス薬を導入していたが、エイズ患者は空腹状態でこの薬を飲まないため、症状が悪化している。干ばつと保健医療問題は同時に扱われるべきであろう。
地域開発・若者関係省の中に、災害管理ユニットが立ち上がり、災害管理戦略を立てることになっている。
NGOの活動は、Ministry of Home Affairsが管理しており、現在NGO政策を立案しているところである。この政策は、NGOの独立性を確保しつつも如何に活動を実施すべきか指導するものとなることを想定している。

14:00【地域開発・若者関係省訪問】
場 所: 地域開発・若者関係省
出席者:
先方 Christabel Motsa次官、Zawdiile Tshabalala首席エコノミスト、Dumsani C. Sithole経済学者
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員
概 要: 当方より、それぞれの団体の説明をした後、先方より次のとおり述べた。
スワジランドの人口は1.2百万人であり、そのうち40万人以上が干ばつの被害を受けている。干ばつは通常ルボンボ地方とシセルウェニ地方で起こるが、今回は全国的な現象となった。また、同国は69%の人々が貧困ライン以下の生活をしており、貧困が深刻な問題であることに加え、人口の42%がエイズにかかっている。更に先月山火事がありスワジランドは大きな災害に襲われている。
我々は、NGOや他の省と主要災害に対応しており調整を行っている。5月に干ばつの被災状況のアセスメントを行い、ルボンボ地方では水が不足しているほか、食糧援助は南東部の一部に限られており、規模の拡大が必要である。
政府は基本的に緊急の食糧支援をしてきたため、緊急から復旧への移行が困難である。また、人々は政府の支援に頼りがちで自分たちで対応するメカニズム(coping mechanism)が確立されておらず「依存シンドローム」を生んでいる。今回の干ばつでは政府は、メイズ、オイル、水などを含むパッケージを配布している。
1994年に南アの鉱山でスワジランド人が働けなくなったことから、労働者がスワジランドに帰国した。かれらは何の技術も持たず、農産業が倒れれば、収入源がなくなる。
ルボンボ地方は困窮しており、水を引くパイプひとつも買えない状況にある。我々は、緊急支援を超えた支援を行える体制作りのプログラムを必要としている。

15:10【農業・組合省訪問】
場 所: 農業・組合省
出席者:
先方 George Ndlangamandla農業局長
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員
概 要: 当方よりそれぞれの団体の説明を行った後、先方より次のとおり述べた。
2007年5月、WFPとFAOによる食糧供給アセスメントが行われ、報告書が発出された。この干ばつは全国的な被害を及ぼしているという点でこれまでの干ばつとは異なり、状況は悪化している。この干ばつには気候変動が影響しているとも考えている。通常メイズを10月中旬に植えていたのが、11月下旬になり徐々に遅れてきており、冬(4、5月)の気温の低下を早期に経験することになり食糧の収穫が減っている。
lowveldのメイズの収穫は最悪であり、また同地域の砂糖産業も市場の値段の低下に伴い失業者を生み出している。これにエイズの拡大も影響し、人々の生活は悪くなっている。
我々は、雇用創出、水供給、干ばつに強い作物(キャッサバなど)の促進が重要だと思っている。
  15日(土)ルボンボ州ロマハシャ
  7時30分ホテル発9時10分頃ルボンボ州ホテル着
【head-menとSecretary of chiefとの会合】

(1)14それぞれのコミュニティからチーフがリーダーを選出し、そのリーダーが集まったものがcouncil of chiefと呼ばれる。伝統的な体制であり毎週土曜日に会合を開催する。今回は、14のコミュニティのヘッド・マンが集まり干ばつにより彼らが抱える問題を説明し、当方の質問に答えてくれた。

・コミュニティが抱える問題として、1.食糧不足、2.水不足、3.孤児の増大、4.子どもを家長とする家庭の増大、5.診療所の欠如を挙げた。

1.食糧:ここの人々は、WFPの食糧支援(クッキング・オイル、豆、メイズなど。水は含まれない)により命をつないでいるようなもの。

2.水:水源が少なく、小川があるがコミュニティの人々のニーズを満たすのには十分ではない。政府(para-statal)によるマイクロ・プロジェクトで、7月より3つの井戸を掘っているが水が出てこず未だ操業していない。政府に水の配給を何度も依頼しているが、政府も資金不足で現在にいたるまで何の対応もない。干ばつに対応するため、ダムを造ることが出来るような場所もあるが自分たちは十分な資金を有しておらず不可能である。水がないため草が育たず飼料がなくなり家畜が死んでいっている。水がない上に貧しくて種子も購入できず、生活が一層困窮している。

3. 4.孤児は一つのコミュニティ(約1,000人)あたり25家庭あり、深刻な問題。干ばつのために我々自身も食糧がなく彼らにあげることが困難。また、ここには3つの初等学校、1つの高等学校があるのみで、中学校はない。これは、14のコミュニティの子どもたちを受け入れるには不十分である。孤児や貧しい子供のためにNCP(neighborhood care points)は5つあり既に運営されている。今後3つが運営される予定。WFPが食糧を配給しているが、更なる水の供給が必要。また、現在NCPで提供されている教育はレクリエーション中心であり、子どもの教育の助けにはなっていない。ノン・フォーマル教育が必要。

5.診療所:公的診療所がなく、民間診療所があるのみであり、貧しい人々はアクセスが困難。

・支援を最も必要としている分野として以下の3つをあげた。

(イ) 食糧支援
(ロ) 水(参考までに、一家庭(6〜8人)1日どの程度の水をしようしているのか質問したところ、20から25リットルを1日2回とのこと。)
(ハ) 種子の配分(現在栽培しているのは、メイズ60%、キャッサバ10%、ソルカム10%、サツマイモ10%、ナッツ10%)

(2)子どもが家長の家と未亡人が家長の家を訪問

・20歳の女性(Ms. Phumzile Khaoza)が家長で、自身の赤ん坊一人を含む6名の面倒を見ている。彼女の夫は南アに行っており、父親は病死。母親は月に一度家に帰り僅かではあるが食糧を持って帰る。子どものうち14歳の女の子が初等教育の2年生に通っており、カリタスから支援を得ている。台所には食糧の備蓄はなく、訪問した日は朝から何も食べていないとのことであった。チーフの秘書の身内が近くに住んでおり、食糧を少し分け与えているが、干ばつによる食糧不足で継続的に行うことも困難との説明が同秘書よりあった。

・途中水汲み場で14歳の女の子を話す機会があった。1日2回(20リットルのジェリー缶2つ)汲みにきて、8人で共有するとのこと。その井戸は、100家族(500名程度)が共有しているとのことであった。

・55歳の未亡人と53歳の未亡人が13人の家族の面倒を見ている。2人の男の子は学校に行っている。夫は病死。台所には同様に何の食糧備蓄もない(ただし、鶏は数匹いた)。彼女が所属するコミュニティの土地にある草(屋根に使用)を刈って、それを売ることで僅かな現金収入を得ているが、コミュニティの草がなくなれば収入源はなくなり生活は一層困窮すると心配していた。

17日(月) 引き続きフィールド調査、正午にムババネに向けて出発。
  10時【NCP訪問】
出席者:
先方 NCPケア・ギバー3名、当該地域コミュニティのリーダー、ボランティア3名
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員
概 要:
FAOより水タンクを2005年に一つ、先月一つ提供されたが、政府からの水の提供が昨年来滞っており、中は空である。
NCPは、家庭で食料を食べることができない子供が、唯一食事ができる場所である。一日一回の食事を提供している。食糧は、WFPより毎月25キログラム×6のメイズ、50キログラムの豆、2.5キログラムの食用油が提供される。
NCPは、午前8時30分から午後3時まで月曜日から金曜日まで運営しており、このNCPは2003年にUNICEFにより設置された。ケア・ギバーは無料で奉仕しているが、NCPの食事は子どもと一緒にできる。

11時20分【チャイルド・プロテクター訪問】
出席者:
先方 チャイルド・プロテクター数名
当方 長JPF代表理事、石井JAR事務局長、坂WVJプログラム・オフィサー、大木WVJプログラム・オフィサー、山内JPF事務局員(時間の関係で正午には長代表理事と山内は退席)
概 要:
干ばつの影響で、親が学校に行く資金を食糧の購入にあてており、子供が学校に行かないケースが増加している。また、水不足や子供を家長とした世帯の増加も大きな問題である。
干ばつにより井戸が枯渇することで、泉から飲料水を得ていることで子供の間で下痢が流行っているほか、食糧不足により栄養不足も心配である。
干ばつにより、メイズの価格が約2倍に上昇している。近隣にメイズがないため、遠隔地までバスに乗って買いに行く必要があり更なる負担となっている。

15:00【地域開発・若者関係省訪問】
場 所: 地域開発・若者関係省
出席者:
先方 Zawdiile Tshabalala首席エコノミスト
当方 長JPF代表理事、山内JPF事務局員
概 要: 当方より、再度政府の干ばつ対応政策について短時間(5分程度)照会し、先方より緊急対応の予算措置の状況、支援物資内容について聴取した。政府の対応は度重なる自然災害により資金不足で非常に遅れているとのことであった。
19日(水)
  10時【在南ア日本国大使館訪問】
場 所: 在南ア日本国大使館
出席者:
先方 宮下公使、田中書記官、細川書記官、北原書記官、井ノ口専門調査員
当方 長JPF代表理事、山内JPF事務局員
概 要: 当方より、今般の出張報告を行い、地方の貧困者、特に両親を失った子どもなどについては、干ばつの被害を最も受けており支援が必要であった旨説明したところ先方は次のとおり述べた。
「緊急性」をいかに説明するか、緊急支援に続き中・長期的視野で支援が可能か検討することが重要である。
今後もスワジランドに関する情報を入手次第、情報を共有する。大使館としても協力していきたい。


以上


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