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南部アフリカ干ばつ被災者支援(スワジランド)・情報

南部アフリカ干ばつ被災者支援にかかわる出動趣意書
2007年10月24日
特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム 事務局長
高松 幸司
 特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム事務局(JPF)は、特定非営利活動法人難民支援協会(JAR)及び特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)より、「スワジランド干ばつ被災者支援に関する出動趣意書」が提出されたことを受け、両団体による合同調査へ9月12日から9月20日まで同行し、JPFとしての初動調査を行った。干ばつの被害状況は南部アフリカ各国を席巻し、その影響の深刻さをうかがい知ることが出来た。かかる初動調査の結果を踏まえ、対象地域をスワジランド一カ国から南部アフリカ各国へ拡張し干ばつ被災者に対し人道支援を実施することを改めて提案する。

1. 現地被災状況

 南部アフリカの複数国は毎年干ばつによる被害を受ける。本年度南部アフリカで食糧不足に直面する人々は、昨年度の310万人から約2倍の610万人に上っているが※1、そのうちエルニーニョ現象による平均以下の降雨量などにより、レソト(約55万人)、南部モザンビーク(約50万人)、ジンバブエ(約400万人)、スワジランド(約41万人)において、干ばつ被害が約550万人に拡大している。この干ばつは、穀物生産高の激減と、食糧価格の高騰※2などを招いており、各家庭は食糧入手が困難な状況にある※3
 レソトとスワジランドについては、昨年度と比較して主食であるメイズの収穫量がそれぞれ51%、61%低下しており、レソト政府は7月28日に、スワジランド政府は7月25日に「国家非常事態」を宣言した。ジンバブエでは、本年度メイズの生産高は昨年より46%低下する見込みであり、政府は本年度を「甚大な干ばつ被害年」と宣言している※4。南部モザンビークは、干ばつに加え本年度初期洪水とサイクロンの被害を受け、被災地では80%の穀物を喪失している。
 明年4月まで主要な収穫がないことから、南部アフリカを襲っているこの食糧不足は2008年1月〜3月頃にピークを迎えると言われている。

※1 Southern Africa Food Security Update (September 2007: USAID)
※2 例えば、南部モザンビークにおいては、昨年度からメイズ価格が30%上昇しており、過去5年間の平均と比較して50%上昇している(8月時点)。
※3 マラウィ、タンザニア、ザンビアなどでは、食糧が十分にある状況であり余剰分を干ばつ被災国に輸出しているが、限定的な市場や輸送インフラのためにニーズは満たせていない。
※4 ジンバブエでは、長期的な干ばつに加え混迷する土地改革プロセス、経済問題などが重なり、過去5年間食糧生産が低下し続けている。


2. 各国政府、国際機関、NGO等による支援状況

 スワジランドでは、政府が過去15年で最悪の干ばつに対応するため、食糧支援や水の供給を行うため2000万ドルの補正予算措置を行っている他、地域開発・若者関係省内に災害管理ユニットを設置し国家規模の災害に当たる予定である。国連が2007年7月25日にフラッシュ・アピールを発出し1500万ドルが国際社会に対し要請している。FAO、UNDP、UNFPA、UNICEF、WFP、WHO、セーブ・ザ・チルドレンUK、ワールド・ビジョン・インターナショナル、スワジランド赤十字などが食糧配布、農業支援、水・衛生、子どもの保護、栄養、復興促進などの分野で支援を行っているが、現段階で国際社会からの支援は(含プレッジ)17%の支援しか集まっていない。
 レソトでは、過去30年で最悪の干ばつに対応するため、国連が7月28日にフラッシュ・アピールを発出し、農業、食糧、健康、栄養、プロテクションの分野で1900万ドルの支援を必要としている。FAO、UNFPA、UNICEF、WFP、WHO、ワールド・ビジョン・インターナショナル、ケアなどが活動しているが、現段階で拠出分およびプレッジを含め63%の支援が集まっているが、子どものプロテクションと初期の復興分野に関しては、何の支援のコミットメントもない状況である。
 ジンバブエでは、7月に国連統合アピールが発出され2億1500万ドルが要請されており、FAO、UNDP、WFP、UNICEF、WHO、セーブ・ザ・チルドレンUK、UNHABITAT、IOMなどが、保健医療、プロテクション、食糧支援、シェルター、栄養、水と衛生分野などで活動している。また、WFPは410万人に対し食糧を配布するため、8月1日に1億1800万ドルの支援を要請している。現段階で国連アピールに対し約50%の国際社会からの支援が集まっている他、10月には国連が設置したCERF(中央緊急対応基金)より食糧支援のため800万ドルを拠出することが決定している。USAIDは、47,400MTの食糧支援をWFPやC-SAFE(Consortium for the Southern Africa-Food Emergency)を経由して実施すると7月に発表している。
 南部モザンビークでは、干ばつに加え洪水とサイクロンの被災者に対し、WFPが食糧支援を行っている他、UNICEFとWFP、保健医療省が栄養状況をモニタリングするミッションを実施している。各家庭の食糧備蓄は底をついており、市場を通じた食糧へのアクセスも穀物価格の高騰で限定的であることから、WFPは、食糧供給状況がこのまま悪化すれば、徐々に緊急食糧支援の規模を拡大する予定である。
 各国共に支援活動は行われているが、干ばつ被害は各国がそれぞれに抱える経済停滞、貧困、エイズ、気候変動※5など他の深刻な問題と相まって、人々の生活は困窮の一途をたどっており更に支援が必要である。

※5 レソト気象庁やスワジランド政府関係者は、深刻な干ばつ問題の原因の一つとして気候変動をあげている(JPF初動調査時の聞き取り調査による)。

3. 支援ニーズ

国連アピールによれば次のとおり。

スワジランド 食糧配布、農業(種子の配布、コミュニティ菜園作りなど)、水・衛生(施設の提供と衛生教育など)、子どもの保護(コミュニティの孤児に対するケア提供能力の強化)、健康(薬の提供、疫病調査、GBV回避支援など)、栄養補給
レソト 農業、食糧配布、保健医療、栄養補給、プロテクション、水・衛生、初期復興支援(天然資源・環境管理、脆弱な子どもたちのための教育など)
ジンバブエ 農業、経済復興とインフラ整備、教育、食糧支援、健康、プロテクション、シェルター・NFI、水と衛生など

4. 事業展開の想定
 これら南部アフリカにおける干ばつ被災者支援に関し、JPF参加団体では、WVJ、JARの2団体が、初動調査を終え、JPF資金を活用しスワジランドにおいて水と衛生分野ならびに子どものプロテクション分野において支援実施の準備を始めている。


以上


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